ピラティスリフォーマー製作秘話

2号機の製作

ピラティス氏の想い

ピラティス(コントロロジー)の創始者であり、ピラティスリフォーマーをはじめとする数々のピラティスマシンを開発したJoseph Hubertus Pilates氏は以下の言葉を残しています。

I must be right. Never an aspirin. Never injured a day in my life. The whole country, the whole world, should be doing my exercises. They’d be happier.

ピラティスとの出逢いとリフォーマー製作の決意

私がピラティスと出逢ったのは2008年。フィットネスクラブで何千人というお客様と接する中で、人の健康やパフォーマンスの向上の為には、ただ筋肉を大きくするだけではなく、先ずは姿勢を整え、自らの身体を自らがコントロール出来る様になることが大切だと考え、その為の何か良い方法はないか?と考えている中での出逢いでした。

※2008年にアメリカのピッツバーグにて、初めてピラティスリフォーマーを体験

ピラティス(コントロロジー)という学問が生まれた約100年前と現代を比べると、スポーツ医科学も大きく進歩しています。様々な考え方がありますが、私はピラティス氏の行っていたことをそのまま再現するのではなく、最新の医科学と融合をさせることで、冒頭のピラティス氏の想いと同じ様に、世界中の人々の健康や幸せな毎日に貢献をしたいと考えています。

ピラティス氏の石碑とインストラクター

※2011年ピラティス氏の生地 ドイツのメンヒェングラートバッハにて

 その1つとして、日本にはまだまだ普及をしていない、ピラティスリフォーマーという素晴らしい器具をもっと多くの方に知って頂くと共に、良い意味でピラティスにこだわるだけではなく、人の健康やパフォーマンスの向上に貢献するコンディショニングの器具として活用をしていきたい。

 また、国債が年々増加し、地方都市の過疎化が進む中で、日本の地域産業を盛り上げ、小さいながらも日本という国のコンディショニングにも携わりたい。そんな想いから国産のピラティスリフォーマーを製作することを決意致しました。

ピラティスリフォーマーの試作開始

しかし、国産のピラティスリフォーマーを制作をすると決めたものの、なかなか引き受けてくださる企業がなく、やっと見付かったと思っても、最低生産台数が我々では対応出来る規模ではなく、協力企業を探すだけでかなりの時間を有してしまいました。

ピラティスリフォーマーを制作する職人さん達

そこから紆余曲折を経て、桐の箪笥で有名な新潟県の木工所と、金物の街として有名な燕三条の金物工場を中心としたいくつかの企業がご協力くださり、幾度にも及ぶ打ち合わせと試行錯誤の末、2018年7月に、なんとか1台目の試作機が完成。

ピラティスリフォーマー試作1号機

完成と同時に、新潟の技術研究所に協力を依頼して「耐荷重試験」などを実施し、最も大切な「安全性」を確認。

ピラティスリフォーマーの耐荷重試験

 また、試作機が完成するかどうかは微妙な所でしたが、多くの方に知って頂く為に、リスクをとってでも「SPORTEC」という日本最大級のヘルスケアの展示会に出展を決めていた為、ギリギリ間に合い、ほっと胸を撫でおろすと共に、その展示会でピラティスインストラクターや、トレーナー、医療従事者の方々をはじめとする多くの方々に試乗頂き、様々なフィードバックを頂戴しました。

ピラティスリフォーマーの展示会へ出展

販売に向けたピラティスリフォーマーの改良

そこから多数のフィードバックをまとめ、再度、新潟の職人さん達と数時間におよぶ打ち合わせや試行錯誤を重ねていきました。よりご購入頂きやすい様にコストを下げることが必要ですが、こだわる所と切り捨てる所を徹底して考えていきます。

木の選択

例えば、木部のフレームは「集合材」というものを利用した方がコストが下げられるのですが、上記の写真の様に実際に比較をすると、やはり「無垢材」の魅力には抗い難く、コストが掛かっても「無垢材」を使用することに決定。

 また、一言で「無垢材」と言っても様々な種類が存在する為、木の専門家の方々と話し合った結果、木材の硬度が高く、日本において安定供給しやすく、時間が経過すると共に飴色に深みが増していく「タモ無垢材」を使用しています。

ピラティスリフォーマーの試作2号機の製作

更には、アルミや金物の部分は、全てを黒に統一すると共に、滑りやすい様に加工を施すなど、大幅な仕様変更なども行い、よりスムーズに、より快適にご利用頂けるピラティスリフォーマーである「Reformer for Motor Learning」が完成致しました。

リフォーマー

また、自らがユーザーとして感じた事としては、開梱した後のゴミの処理の大変さと、海外からの輸入した場合、説明書が英語の為、どうしても組み立てが分かりにくい。その為、配送に伴って、リフォーマーに傷が付くことが無い様にしながらも、特注の段ボールを製作して過剰な梱包を減らすことと、組み立てやすさに拘っています。

ピラティスリフォーマーを収納する特注段ボール

国産のピラティスリフォーマー:Reformer for Motor Learningの販売開始

こうして多くの方のご協力のもとに完成をしたのが、国産のピラティスリフォーマーである「Reformer for Motor Learning」。

 また、ただ器具を販売するだけではなく、その器具を活用してお客様や選手、患者さんの美と健康とパフォーマンスアップに貢献して頂ける様、研修事業や経営コンサルティング、情報提供など、様々な形でバックアップをさせて頂きます。

2019年4月には、リフォーマーの製作及び販売に主に関わる社員と共に、ピラティス氏の生家があるメンヒェングラートバッハに、報告と挨拶に伺いました。

ピラティス氏のモニュメント

最後に、ピラティスをコンディショニングとしてより多くの人に活用できれば、との想いから弊社が運営している『PILATES AS CONDITIONING ACADEMY』も、よろしければご覧ください。
https://pilates-as-conditioning.com/