こんにちは。
理学療法士の中北です。
本日は「膝関節の評価」についてお話いたします。
ここでは、膝関節の評価を「アライメントの評価」「可動性の評価」「下肢運動制御の評価」に大別して考えていきたいと思います。
膝の評価には様々なものがありますので、一例としてご覧頂ければ幸いです!
アライメント評価
まずは、アライメントについての評価では、「下腿の外旋」と「内反ー外反」をチェックしていきましょう。
①下腿外旋の評価
・膝関節伸展0度の状態で、膝蓋骨の中点と外側端からの垂線の中に、脛骨粗面が位置していればOK
・脛骨粗面が外側垂線上、もしくは垂線よりも外にあれば下腿外旋の可能性が高い
②膝関節の内反ー外反評価
・大腿骨頭中心と足関節中心を結んだ線(下肢機能軸)に、膝関節中心があればOK
・膝関節中心が下肢機能軸よりも外側にあれば内反膝、内側にあれば外反膝の可能性が考えられる
正確に評価するためには、レントゲン検査などの画像で判断することが望ましいですが、なかなか運動指導の現場では難しかったりしますよね。
そのため、上記のような形での評価もオススメです。
大腿部の外側組織が硬ければ下腿は外旋しやすくなりますし、股関節の前捻角や頚体角、足部のアライメント不良などが内反ー外反のアライメントに影響を及ぼします。
特に、下腿が過剰に外旋位になると膝関節の安定性も低下しますので、要チェックですね。
可動性の評価
続いては、膝関節の可動性の評価ですが、膝関節が屈曲できるか、膝関節を完全伸展できるか、膝蓋骨が8方向に滑らかに動いているかをみていきます。
屈曲では踵と臀部がくっついていればOK、伸展では、膝窩部が床につけばOKです。
そして、膝蓋骨の可動性評価ですが、必ず膝関節伸展位でチェックします。
これは、膝関節伸展位に比べ、膝関節屈曲位になると膝蓋骨と大腿骨の間隙が狭くなり、膝蓋骨が動きにくくなるためです。
膝蓋骨には、上下に8mm~10mm、左右に8mm~20mm、7度以上の回旋、11度以上の傾斜の可動性があります。
そのため、上下・左右・斜めの8方向に、滑らかに動いていればOKですね!
下肢運動制御の評価
最後は、下肢全体の運動制御(モーターコントロール)の評価です。
股関節・膝関節・足関節の協調性を評価できれば良いので、スクワット動作でもランジ動作でも何でも良いのですが、評価においては再現性が大切ですので、椅子からの片脚起立動作や、下肢の前方リーチテストなどがオススメです。
前方リーチテストでは、左右差が4cm以上ないことが障害予防には望ましいというリサーチが、複数報告されています。
また、椅子からの片脚起立動作では、スピードが速くなって”制御できていない”状態になりやすいので、注意しましょう。
その際、膝とつま先が同じ方向を向いているか、膝だけが過剰に動いていないか、などもチェックできると良いですね。
本日は、膝関節の評価についてお話いたしました。
この他にも、膝の評価は多くありますので、クライアントのお悩みに合わせて選択していくことが大事ですが、上記評価は膝の機能改善においてベースとなるものと考えています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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