こんにちは。
imok株式会社の中北貴之です。
前回は横隔膜の機能解剖についてお話しました。
まずは今日の内容につながる部分だけ簡単に復習しましょう。
横隔膜の機能として重要なのがZOA(Zone of Apposition)です。
ZOAとは、息を吐いたときの横隔膜のアーチの頂上から、息を吸って平らな形になるところまでの動く範囲のことです。(※横隔膜は息を吸うときに下がります)
ZOAが小さいということは横隔膜の動きが少ないということですので、呼吸を適切に行うためにはZOAの確保が重要で、ZOAは肋骨の形状によって変化します。
というところまでお話しました。
肋骨の機能解剖
ZOAは肋骨の形状によって変わりますので、まずは肋骨の機能解剖を確認していきましょう。
いきなりですが、肋骨の細かい名称はGoogle先生に譲ります(笑)
付着部を確認しましょう。
背側では第1~12肋骨全てが胸椎と関節を構成します。
腹側は下記の通りです。
・第1~7肋骨は胸軟骨や肋軟骨を介して胸骨に付着(真肋)
・第8~10肋骨は直上の肋軟骨に付着(仮肋)
・第11、12肋骨はどこにも付着しない(浮肋)
よく矢状面における姿勢の指標として「ASISの直上にたどり、最初に当たる骨が第10肋骨」なんて言ったりしますが、第11・12肋骨は腹側まで来ていないためですね。
次に、胸椎と肋骨で構成される肋椎関節について確認しましょう。
全ての関節には「緩みの位置」と「締まりの位置」がありますが、肋椎関節においては、
肋骨外旋位とは、肋骨が後方回旋して開いている状態です。
肋骨内旋位とは、肋骨が前方回旋して閉じている状態です。
締まりの位置では、関節の適合性が高くて安定していますが可動性は低下します。肋椎関節が締まりの位置になると胸椎も可動性が低下しますので、脊柱の分節性も低下します。
そして、冒頭のZOAにもこの肋骨の内外旋が関わります。
肋骨の内外旋とZOA
肋骨が外旋していると肋骨は開いているので、横隔膜も外側に引っ張られます。
反対に肋骨が内旋していると肋骨は閉じるので、横隔膜は中心に近づきます。
どちらが横隔膜のドームが低くなるかといえば、肋骨が外旋して横隔膜が外側に引っ張られている状態のときです。


例えば、両手で紐を持っているとして、両手間を横に遠ざけた時と近づけた時であれば、遠ざけた時の方が紐が引っ張られて平坦になりますよね。
肋骨外旋位では横隔膜のドームが通常よりも平坦な状態になるため、ZOAも小さくなります。
ZOAが小さいということは、呼吸における横隔膜の関与が減るということですので、頚部や胸部の筋肉が過剰に使われるようになり、肩こりや首こりの一因となります。
肋骨の内旋を促す、おススメのリフォーマーエクササイズの一つです↓
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肋骨は胸椎に付着しますので、肋骨の内外旋は脊柱のアライメントにも左右されます。
次回は脊柱のアライメントとの関係についてお話したいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
imok株式会社
中北貴之
